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【トレンド・ウォッチ】2026年アジア競技大会で注目―世界で急成長するラケットスポーツ「パデル」とは?

2026年9月に開催される第20回アジア競技大会(愛知・名古屋)では、パデル(Padel)が正式競技として初めて実施されます。(※1) 世界で急速に競技人口を増やしているパデルが、アジア最大級の総合スポーツ大会の舞台に登場することで、スポーツ界から大きな注目を集めています。正式競技化は、アジアにおけるパデル普及の大きな転機と位置付けられています。

日本でも大会に向けた強化が進み、2026年7月には男子4名・女子4名の計8名の日本代表選手が決定しました。代表には、ピックルボールとの「二刀流」でも話題の畠山成冴選手や、女子の徳本佳恵選手ら実力者が名を連ねており、初のアジア大会での活躍に期待が高まっています。(※2)

日本ではまだ馴染みの浅い競技ですが、世界では競技人口が急速に拡大し、「世界で最も成長しているスポーツの一つ」とも呼ばれています。(※3) ヨーロッパや中南米を中心に人気が広がり、現在では150を超える国と地域で親しまれる国際スポーツへと発展しました。(※4)

 

 

 

そもそも「アジア競技大会」とは?

アジア競技大会は、アジアの国と地域から選手が集まり、さまざまなスポーツ競技で競い合う総合競技大会です。1951年にインド・ニューデリーで第1回大会が開催され、現在は原則として4年に1度開催されています。(※5)

大会では、陸上競技、水泳、体操、バレーボール、バスケットボール、サッカー、卓球、バドミントン、テニスなど、オリンピックでも実施される競技が数多く行われています。一方で、カバディ、セパタクロー、武術など、アジア各地域で発展してきた競技も採用されてきました。(※5)

つまりアジア競技大会は、世界的に普及しているスポーツからアジア独自の競技、そして新たに成長している競技まで、さまざまなスポーツが一堂に会する、アジアを代表する総合スポーツ大会です。

2026年の第20回大会は愛知・名古屋で開催され、日本では東京大会(1958年)、広島大会(1994年)に続く3回目の開催となります。(※6)

こうした大規模な総合スポーツ大会の正式競技にパデルが加わることは、単に一つのスポーツの種目が増えるという意味にとどまりません。アジア各国・地域に向けてパデルの存在を発信し、競技の普及や競技人口の拡大を後押しする機会になることが期待されます。

 

テニスとスカッシュの魅力を融合したスポーツ

パデルは1969年、メキシコ・アカプルコでエンリケ・コルクエラ氏が自宅の庭に壁とネットで囲んだコートを作ったことから誕生したラケットスポーツです。(※7) 現在はスペインやアルゼンチンを中心に爆発的な人気を集め、スペインでは近年、競技人口でサッカーに匹敵する、あるいはそれを上回るとの調査結果も出ているほどの国民的スポーツに成長しています。(※4)

競技は2人対2人のダブルスで行われ、10メートル×20メートルの専用コートを使用します。最大の特徴は、コートがガラスや金網の壁で囲まれており、壁に跳ね返ったボールもプレーできることです。

テニスの打ち合いにスカッシュのような壁を利用した戦略が加わることで、初心者でもラリーが続きやすく、経験者同士では高度な駆け引きが楽しめます。

また、テニスよりコートが小さく移動距離も少ないため、体力差だけでは勝敗が決まりにくく、ポジショニングやチームワーク、戦略性が重要となるスポーツとして評価されています。

 

世界で急成長する理由

パデルが急速に普及した背景には、「誰でも始めやすい」という競技特性があります。

ラケットは短く扱いやすく、コートも比較的小さいため、初心者でも初日から打ち合いが続きやすく、運動経験の少ない人でも楽しめます。

さらに、競技はダブルスが基本であることから、プレーヤー同士のコミュニケーションが自然と生まれます。競技性だけでなく、交流や仲間づくりを楽しめる点も、多くの人に支持される理由の一つです。

こうした特徴から、パデルは競技スポーツであると同時に、生涯スポーツやコミュニティスポーツとしても世界各地で普及が進んでいます。

 

パデルが生み出す健康とウェルビーイング

パデルは健康づくりの面でも高い評価を受けています。

テニスに比べて長距離を走る場面が少なく、関節への負担も比較的小さいことから、子どもからシニアまで幅広い年代が継続しやすいスポーツとされています。

適度な有酸素運動は心肺機能の向上や生活習慣病予防につながるほか、ダブルスならではのコミュニケーションによって孤立防止やストレス軽減、メンタルヘルスの向上にも寄与すると期待されています。

WHO(世界保健機関)も、身体活動は健康だけでなく精神的・社会的なウェルビーイングに重要であると指摘しており、誰もが継続しやすいスポーツの価値は今後ますます高まるでしょう。(※8)

 

SDGsが目指す「誰一人取り残さない社会」との親和性

パデルの魅力は、競技そのものだけではありません。

性別や年齢、体格、運動経験の違いを超えて一緒にプレーしやすい競技であることから、多様性を尊重するスポーツとしても注目されています。

筋力だけではなく戦略やチームワークが重要であるため、男女がペアを組むミックスダブルスや、親子・シニア・初心者を交えた交流イベントも数多く開催されています。

こうした特性は、SDGsが掲げる「誰一人取り残さない」という理念とも重なります。(※9)

・SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」
運動不足の解消や生活習慣病予防に加え、仲間と楽しみながら身体を動かすことで、健康寿命の延伸やメンタルヘルスの向上にもつながります。

・SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
男女が自然に同じコートで競技を楽しめる環境が整っており、多様な人材が互いの強みを活かしてプレーできるスポーツ文化を育んでいます。

・SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」
年齢や運動能力、経験の差を超えて参加しやすいことから、誰もがスポーツを楽しめるインクルーシブな社会づくりにも貢献しています。

 

スポーツが社会を変える時代へ

スポーツの価値は、勝敗を競うことだけではありません。

人と人をつなぎ、健康を支え、多様性を尊重する文化を育み、地域コミュニティを活性化する――。こうした社会的価値が、これからのスポーツにますます求められています。

世界で急速に広がるパデルは、その象徴ともいえる存在です。2026年アジア競技大会は、日本におけるパデル普及の大きな転機となる可能性があります。日本代表の活躍に注目するとともに、この機会に新しいスポーツ文化としてのパデルに触れてみてはいかがでしょうか。

 

参考・引用元

※1) 一般社団法人日本パデル協会「パデル、第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)の正式競技に決定!」
https://www.japanpadel.com/2026/news/2832/

※2) TBS NEWS DIG「【一覧】アジア大会新競技・パデル代表が決定!“二刀流”ピックルボーラー畠山成冴ら8人選出」
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2824463

※3) International Padel Federation(FIP)「Padel Confirmed as Medal Sport at the Aichi-Nagoya 2026 Asian Games」・「About Padel」
https://www.padelfip.com/2026/03/padel-confirmed-as-medal-sport-at-the-aichi-nagoya-2026-asian-games/
https://www.padelfip.com/

※4) 一般社団法人日本パデル協会「パデルを知る」
https://www.japanpadel.com/charm-2/

※5) Olympic Council of Asia(OCA)「Asian Games」
https://oca.asia/games/

※6) 第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)公式サイト
https://www.aichi-nagoya2026.org/

※7) International Padel Federation(FIP)「History」
https://www.padelfip.com/history/

※8) World Health Organization「Global Action Plan on Physical Activity 2018–2030」
https://www.who.int/publications/i/item/9789241514187

※9) United Nations「Sustainable Development Goals」
https://sdgs.un.org/goals

 

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