2026年11月5日から8日まで、福岡県飯塚市で「ワールドクライミング グランドフィナーレ 福岡2026」が開催されます。クライミングとパラクライミングの国際大会を4日間続けて行う大会です。5、6日はパラクライミング、7日はチーム・ボルダー、8日はチーム・リードが行われます。チーム競技は男女混合の国別チームで競われます。会場は、筑豊緑地公園/いいづかスポーツ・リゾート ザ・リトリート(福岡県飯塚市仁保8-37)です。(※1)

2025年から続く、福岡での共同開催
流れが始まったのは2025年です。10月に飯塚市で開かれた「IFSCクライミンググランドファイナルズ福岡2025」では、国別対抗戦とパラクライミングの国際大会が一体となって開催されました。日本でスポーツクライミングとパラクライミングの国際大会が同時に開催されたのは初めてのことでした。
大会では「共生」や「多様性」が重要なテーマとして掲げられ、健常者の選手とパラクライマーが同じ大会の舞台に立つ試みが行われました。SDGs JAPAN ポータルでも、2025年大会について「一体となり、共になる」という考え方を軸に、クライミングとパラクライミングを通じたインクルージョンについて紹介しています。(※2)
2026年は、そこからさらに一歩進みます。
パラクライミングは「World Climbing Para Series FUKUOKA 2026」として国際シリーズの最終戦に位置づけられ、11月5日に予選、6日に決勝が行われます。一方、7日はチーム・ボルダー、8日はチーム・リードが行われます。クライミングとパラクライミングを一つの大会の中で開催する構成が、2026年も続きます。(※1)(※3)
2028年、パラクライミングがパラリンピックへ
大きな転換点となるのが、2028年のロサンゼルス・パラリンピック(LA28)です。パラクライミングは、ここで初めてパラリンピックの正式競技となります。
LA28では、男女各40人、計80人の選手が出場し、メダル種目は男女各4種目、計8種目となる予定です。選手は障害の特性に応じてスポーツクラスに分かれて競技します。(※4)
さらに、パラリンピックのクライミング会場は、オリンピックのクライミングと同じ「Long Beach Climbing Theater」です。クライミングとパラクライミングが、同じ会場を舞台に、それぞれの競技として行われることになります。(※5)
パラクライミングがパラリンピックという世界最大級のスポーツ舞台に加わることは、競技そのものの発展だけでなく、障害のあるアスリートが世界に挑戦する機会を広げるという意味でも大きな変化です。
スポーツから考える「インクルージョン」
こうした動きは、SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」ともつながります。
ターゲット10.2では、2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、経済的地位などにかかわらず、すべての人の社会的、経済的、政治的な包摂を促進することを掲げています。(※6)
スポーツは、この「包摂」を具体的に考えやすい分野です。
施設へのアクセス、観戦環境、競技ルール、選手のクラス分けなど、仕組みの整え方によって、参加できる人の範囲は変わります。
パラクライミングのスポーツクラスも、その一つです。障害の特性に応じて競技カテゴリーを分けることで、選手ができるだけ公平な条件で競い合えるようにしています。
つまり、インクルージョンとは、単に「同じ場所にいる」ことだけではありません。それぞれの条件に応じて、スポーツに参加し、挑戦する機会が確保されていることが重要です。
福岡から広がるクライミングの可能性
2025年に福岡で始まったクライミングとパラクライミングの同時開催は、2026年も「ワールドクライミング グランドフィナーレ 福岡2026」として続きます。
2026年は、パラクライミングが国際シリーズの最終戦として開催され、クライミングでは男女混合の国別チームが競います。そして2028年には、パラクライミングがパラリンピックの正式競技になります。
競技の発展を支えるのは、記録や大会の規模だけではありません。施設、大会運営、観戦環境などを含め、さまざまな人がスポーツに関われる仕組みを整えていくことも欠かせません。
「一緒に登る」とは、同じ壁に向かうことだけを意味するのではありません。異なる条件や背景を持つ人が、それぞれの方法で挑戦できる環境をつくることでもあります。
福岡で続くクライミングとパラクライミングの国際大会は、競技の魅力を伝える場であると同時に、スポーツを通じたインクルージョンについて考えるきっかけにもなるでしょう。
※競技時間・観戦方法・放送などの詳細は、大会公式ホームページからご確認ください。
<大会公式ホームページ>
https://www.live-link.life/online/cgf2026
参考・引用
(※1)ワールドクライミング グランドフィナーレ 福岡2026 公式ホームページ
https://www.live-link.life/online/cgf2026
(※2)SDGs JAPAN ポータル「『一体となり、共になる』福岡発、クライミング革命! 健常者とパラが同舞台で世界に挑む」
https://japan-sdgs.or.jp/news/6344.html
(※3)World Climbing「CLIMBING AND PARA CLIMBING RETURN TO FUKUOKA」
https://www.worldclimbing.com/events/world-climbing-nations-grand-finale-fukuoka-2026/news/climbing-and-para-climbing-return-to-fukuoka
(※4)World Climbing「PARA CLIMBING CONFIRMED FOR PARALYMPIC GAMES LA28 WITH EIGHT MEDAL EVENTS」
https://www.worldclimbing.com/news/para-climbing-confirmed-for-paralympic-games-la28-with-eight-medal-events
(※5)World Climbing「Paralympic Games LA28」
https://www.worldclimbing.com/paralympics/2028-los-angeles
(※6)国際連合「Goal 10: Reduce inequality within and among countries」
https://sdgs.un.org/goals/goal10


