コラム

【3分でわかる】リジェネラティブとは?―自然や地域を再生する考え方

リジェネラティブ(Regenerative)とは、「再生する」「回復させる」という意味の英語です。環境への負荷を減らすだけでなく、傷んだ自然や地域を元気な状態に回復させていく考え方を指します。農業では「環境再生型農業」とも呼ばれ、土の健康を回復させ、生き物の多様性を高め、気候変動をやわらげることを目指す方法とされています(※1)。

 

サステナブルとの違いは?

サステナブル(Sustainable)は「持続可能な」という意味で、環境や資源を使い続けられる形で守ることに重点があります。リジェネラティブは「再生」に重点を置き、傷んだ自然を元の元気な状態に近づけることを目指します(※2)。農地でいえば、今ある土を傷めないようにするのがサステナブル、傷んだ土を元気な状態に戻していくのがリジェネラティブ、というイメージです。

ただし、どちらが正しいという話ではありません。守ることと、再生させることは、どちらも大切です。

 

どんな取り組みがあるの?

農業では、畑を耕さない「不耕起栽培」や、草などの植物で地面をおおい、あとで土にすき込む「緑肥栽培」が取り入れられています。土の中の有機物(落ち葉や草などが分解してできる、土の栄養のもと)が増えると、土がふかふかになり、水をためたり通したりしやすくなります(※1)。

観光では、「リジェネラティブ・ツーリズム(再生型観光)」が近年注目されています。観光地の力を引き出し、地域の人々と自然が自ら元気を取り戻していく力を高めることを目指す考え方です(※3)。「来たときよりよい状態にして帰る」と説明されることもありますが、ごみ拾いや植林のような一度きりの活動だけを指すのではない、という指摘もあります(※3)。

 

なぜ注目されているの?

土は、食べ物をつくるだけでなく、生き物のすみかや、二酸化炭素をためる働きも持っています。ところが農業は、土にたまった有機物を使う面があり、続けると土が弱ることがあります。そこで、土を元気な状態に戻しながら作物を育てる方法が注目されています(※1)。

ただし、「リジェネラティブ」をうたう取り組みの中身はさまざまです。「何を、どのように再生するのか」を確認することが大切です。

 

これだけ覚えておけばOK

リジェネラティブとは、自然や地域への負荷を減らすだけでなく、傷んだ環境や地域の力を回復させ、よりよい状態を目指す考え方です。「守る」だけでなく「再生する」という視点がポイントです。

 

参考・引用
(※1) 矢内純太「土の健康を維持し回復するために」日本学術会議公開シンポジウム「「土の教育」始めませんか?」資料(2025年11月29日)
https://e-forum.educ.kyoto-u.ac.jp/cms/wp-content/uploads/4_1stsympo_yauchi.pdf
(※2) マイナビ農業「注目のリジェネラティブ農業を徹底解説! サステナブルとの違いや具体例を紹介」(2023年8月4日)
https://agri.mynavi.jp/2023_08_04_234795/
(※3) 藤本直樹・桜井政成「日本の観光政策においてリジェネラティブ・ツーリズムの萌芽は見られるのか―国のモデル事業を用いた政策事例の検討―」『地域情報研究』14号(2025年)立命館大学地域情報研究所
https://www.ritsumei.ac.jp/research/rdiri/file/kiyou/14-8.pdf

 

 

 

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