AMOC(エイモック)とは、日本語で「大西洋子午面循環(だいせいようしごめんじゅんかん)」といい、大西洋で暖かい海水が表層を北へ、冷たい海水が深いところを南へ流れる、巨大な海水の循環です(※1)。熱を運ぶことで、世界各地の気候に影響を与えています。

AMOCはどのように動いている?
AMOCは「Atlantic Meridional Overturning Circulation」の略称です。「子午面(しごめん)」とは、地球を南北方向に切った断面のことで、全体で「大西洋を南北に、上下を入れ替えながらめぐる循環」という意味になります。
仕組みのカギは、海水の「重さ(密度)」です。海水は、冷たいほど、塩分が濃いほど重くなります(※2)。
赤道付近から北へ運ばれた暖かい海水は、北大西洋で空気に熱を渡して冷えます。さらに、蒸発や海氷の形成で塩分が濃くなります。こうして重くなった海水は、深い海へ沈み込み、深層を南へ流れます。その水は、ほかの海域で混ざったり上昇したりして、再び表層の流れにつながります(※1)。
この循環が、熱を北へ運びます。ヨーロッパが同じ緯度の北米より温暖なのも、暖かい海水が運ぶ熱の影響が大きいためです(※2)。
なぜAMOCが注目されているの?
地球温暖化が進むと、海水温が上がり、グリーンランドの氷が融けて淡水が北大西洋に流れ込みます。海水が暖かく、塩分が薄くなると、重さが減って沈み込みにくくなります。その結果、AMOCが弱まることが懸念されています(※2)。
弱まると、運ばれる熱の量や分布が変わり、地域によって気温や降水量、嵐の発生状況などに影響が出る可能性があります。北米の大西洋沿岸では、海面水位への影響も指摘されています(※1)。
気候変動の科学的知見をまとめる国連の組織「IPCC」は、2021年の報告書で、21世紀中にAMOCが弱まる可能性は「非常に高い」としました。一方、2100年までに急激に止まる(崩壊する)可能性は低いとしていますが、確信度は「中程度」で、変化の大きさや時期には不確実性が残ります(※3)。
これだけ覚えておけばOK
AMOC(大西洋子午面循環)は、大西洋で暖かい海水と冷たい深層水が南北に循環する仕組みです。気候を支える大切な働きをしており、温暖化で弱まると、各地の気候に影響が及ぶ可能性があります。
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参考・引用
・(※1)米国海洋大気庁(NOAA)「What is the Atlantic Meridional Overturning Circulation (AMOC)?」https://oceanservice.noaa.gov/facts/amoc.html
・(※2)NASA「Slowdown of the Motion of the Ocean」https://science.nasa.gov/earth/earth-atmosphere/slowdown-of-the-motion-of-the-ocean/
・(※3)IPCC「Climate Change 2021: The Physical Science Basis, Chapter 9」https://www.ipcc.ch/report/ar6/wg1/chapter/chapter-9/
SDGs JAPN PORTAL 編集部
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