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株式会社HELTE 後藤学氏 インタビュー -その3- HELTEの新しさ

株式会社HELTE 代表取締役 後藤学 (G)
未来投資研究所:青山アリア 喜多茂樹 青山あきら(聞き手 A)

 

株式会社HELTE社長の後藤学さんは、日本語を学ぶ海外の若者と日本の高齢者をインターネットでつなぎ、日本語での会話を通して、語学学習のみならず、異文化の若者と老人を結ぶという独特の文化交流の形を作られ、ご活躍中です。本日は、人々の相互理解を通して、世界平和にも貢献する、日本発のユニークなビジネスを展開されている、新進の若手実業家である後藤さんに、起業の背景と事業の意義を中心に、その思いを、SDGsに取り組む、特に、若い世代の方々とシェアしたいと思います。

【そのⅠ】 起業の背景
生い立ち
インドでの衝撃的な経験
その後のヨーロッパ・アジアへの旅
東南アジアで見聞きしたこと
アメリカの老婦人とインターネット

【そのII】 株式会社 HELTE
ビジネスモデル:就職から起業への1年間
海に出たい!
出資者
事業
社会情勢とコロナ
海外の若者たち
コロナ
事業の可能性

【そのIII】 HELTEの新しさ
シニア層
美しいということ
今後の展開
産学官民での連携

【そのIV】 SDGs

【エピローグ】

 

III HELTEの新しさ

シニア層

Aria シニア層というところからブレないという、信念というのは、どういうことでしょうか?

G ふたつあって、一つは、やっぱり、年齢を積み重ねることによっての経験とか、良かったことも、悪かったことも、後悔も、その、たくさん溜まっていて、そういったものを、次の世代の人が聞く、っていうことが、僕は、すごく、有益だというふうに、思ってることが、まず、一つあるのと。

で、二つ目は、この、ビジネスの成り立ちからして、シニア層の人と若者をつなげる、しかも、国も違う人、というのは、結構、アンバランス感が正直あると思っていて。そこの平衡感というか。そこは、人によってはね、そんなんつなげるより、若者と若者をつなげた方がいいよ、とかいうコメントは、何万回と聞いてきたんですけど、ここのズレこそが、この、ビジネスモデルの、僕、美しいとこなんじゃないかな、というふうに、捉えていて。なんか、繋がってるんだか、つながってないんだか、コミュニケーション、取れてるんだか、取れてないんだか、みたいな時も、ありつつも、でも、なんか、つながってて、でも、なんか少し分かり合えたような気持ちとか、シーンがあったりとかして。で、それのなんか積み重ねなんじゃないかな、というふうに、僕は捉えてまして。なので、ここはずらしたくないな、というふうにおもっています。美しいということ

A 後藤さんのお話の中に、「美しい」という言葉が出てきましたけど、ご自分のビジネスと、他との関係を、常に考えながら、それ自体が、行動として、あるいは、存在として、美しいかどうか、beautiful かどうか、ということを、常日頃から、意識してされているんですか?

G そうですね。まだまだ、ちゃんと適切に考えられていない部分も多分にあるんですけど、その、悪いことをしようと思ったら、いくらでもできる、多分、世の中だったりとか、それこそ、ITを使ったりとかすれば、いろんなズルとか悪いことすることができると思うんですけど、その中で、自分の中にある哲学というか、なんか、真と善と美、っていうところは、ちゃんと意識して、こういう美徳があって、こういう真と善と美が自分の中にあって、それを体現する場にしたいていうのは、意識で取り組んでいます。

今後の展開

A 今後の展開を、まとめていただけますか?

G 今後の展開としましては、もちろん、(現在参加している)104か国の国を、150にする、190にしてゆく、ていうような形であったりとか、参加しているユーザー数を、5万、10万、100万に増やしていこう、というなところがあるんですけども、次のビジネスモデルのところに関しても、僕たちは今取り組んでいて。

それというのが、学生が今、7,000人、1万人弱ぐらい、入ってきていて。この学生たちも、日本で働きたいと考えている人たちが、たくさんいるので、日本に、就職活動を支援できる、斡旋できるようなビジネスモデル、その、リクルートメントのビジネスを、展開しようというような形で、今、準備しています。その、学生の情報がプラットホームに溜まって、その情報をしっかりと生かして、日本で、幸せに働けるような、道線、道筋というのを作ろうと考えています。

なぜかというと、技能実習生とか、この前もなんか、豚解体してとか、ニュースが、出てたと思うんですけど、給料支払われない、とか、日本に来る前に、100万も200万も借金してくるとか、現地の教育機関が、あまり良くないとか、そういった、いろんな問題があったりとか。悪いプレーヤーがいたり、ブローカーがいたりとかするので、そこの透明性ていうのを、高めるような事業を行っていきたいというところが一つあります。そのためには、現地の語学学校を買収したりとか、自分たちで作ったりとか、ていうようなところも、考えながら、今、準備をしてます。

もう一つは、会話の動画ですね。それこそ、声のトーンだったりとか、表情だったりとかは、いろんな情報が、プラットホームに溜まっていくので、その情報を解析して、例えば、学生であれば、こういう発音、直したほうがいいよ、とか、ここのイントネーションは直したほうがいいよ、とかいうようなとこは、もちろん、シニア側の人たちも、ある程度の、顔の表情とか、声色とか、声のトーンとか、いろんなもので、健康状態がわかったりとかするので、海外との異文化交流を楽しみながらも、希望する、あくまで、希望する方は、同時に、体の調子とかも、チェックしてもらえるような、ヘルスケアの分野にも、今後浸透していきたいなと、思っています。そのために、NECとかとの連携も、今、進めていたりとか、最新の技術っていうのも、プラットホームに取り入れていくための準備をしてます。

産学官民での連携

A この事業を展開していく上で、最初から、大学との共同研究だとか、やられてますね。それは、特別の意図が、おありなんですか?

G スタートアップの、こういう、なんか、新しいモデルのビジネスをやり、対象が若者だったりとかすると、比較的、スムーズに入っていけたりとかすると思うんですけど。その、シニア層の方を対象とするときには、やっぱり、正統性とか、信頼性とかいうのを、問われるケースが、すごく多くてですね。で、そういった時に、フロントが行政になってくれたりとか、後ろに、東京大学がついてきてたりとかすると、無駄な争いが無くなったりとかするんですよ。例えば、僕たちのプラットホームのセキュリティはどうなんだ、とか、どういう奴らが運営しているんだ、とかいうことは、やっぱり、すごくたくさん聞かれて。そこに対しての返答は、僕たちは、誠意を持ってやっているものの、やっぱり、その戦いが、グルグルグルグル、もうなんか、永遠に続くような時期があったので、それが、例えば、神戸市がサポートしてます、神奈川県がサポートしてます、東京大学も、研究として入ってます、というふうになると、やっぱ、ああ、それなら、安心して入れるね、っていうて、この、時間がビュビュッと短くできる、っていうような、利点が一つあります。

あと、もう一つは、ソーシャル的な側面も多かったりとかするので、産学官民での連携て言うのが、僕は、非常に重要だな、ていうふうに考えてます。それこそ行政も巻き込んで、行政には行政なりの課題があって、シニア側もそうだし、在留の外国人の人たちもそうですし。大学は大学で、あの、柏市に東京大学のIOGという、高齢化に関する研究する機関があるんですけど、そこと連携することによって、僕たちとしても、データを得ることができて、彼らも、研究題目というのを得られるので、双方にとっても、ほんとに、三方よしの形なので、もうこれはやらない選択肢は、ないな、ってなところで、産学官民での連携をすごく強く進めています。

 

〈-そのⅣ-につづく〉

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