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独自の“働き方改革”を次々に実施。 持続可能な介護現場から豊かな未来を。 介護付有料老人ホーム『あかしあ大河』-その4-

 

入居者はもちろん、地域の人たちが

当たり前の暮らしを続けられるように

柔軟な発想と軽やかなフットワークで介護事業を継続していく。

これまで3回にわたって、『あかしあ大河』の取組みを施設長の三田さんからお聞きしてきました。その中で、“介護とは高齢者を支援することではなく、当たり前の暮らしを続けていくための一部分であり、決して特殊なことではない”という根本的な想いや“働きたくても働けないお母さん”を支援する独自の働き方改革が、これからの新しいコミュニティづくりのひとつの道筋になっていることを教えていただきました。明確な目標を持って、ブレずに続けていくことが、いかに大切かということが、よく分かりました。

最終回となる-その4-では、さらに領域を広げている『あかしあ大河』の活動をはじめ、SDGsとの関わりや寄せる思いなどをお伺いしました。

 

地域の健康寿命を延ばす開かれた介護施設を目指して。

【コカ・コーラ社とのコラボ自販機】

編集部:最近、面白い自販機を設置されたと聞いていますが、どんな自販機なのでしょう?

三田:分かりやすくいえば、万歩計とつながっているような自販機なんです。これは、コカ・コーラ社が提供している『コークオンアプリ』を搭載した自販機で、目標歩数を達成したり累計歩数の特典でスタンプがもらえる、というものです。スマホを持っていれば使えます。

編集部:なかなか興味深い企画ですね。これは、どういう経緯で設置することになったんですか?

三田:厚生労働省が3年毎に各都道府県の健康寿命年齢を発表しているのですが、2018年のデータでは、なんと広島県の女性がワースト1位になってしまいました。その原因のひとつは、広島県は山間部が多く、1人に1台ともいわれるクルマ社会になり歩く機会が減っているということも要因の一つではないかと言われていますね。私もそうですが、ちょっと下にあるコンビニに出かける時にさえクルマを使ってしまいます。クルマがないと生きていけないようなライフスタイルがいきわたっています。

介護施設として、この歩く機会が減っている状況を何とかできないか、と考えていたところ、コークオンアプリのことを知りました。いろいろ調べてみると、歩くきっかけづくり、歩いてみたいというモチベーションづくりに、とても役に立つのではないかと感じたんです。

編集部:なるほど。歩けば歩くほどスタンプがたまる。たくさんの人たちに“歩く楽しみ”を提供しようという自販機なんですね。

三田:そうなんです。でも、もうひとつメリットを感じていることがあって。それは、この自販機を健康寿命を延ばすための情報発信サテライトにしたいということなんです。この自販機はオリジナルラッピングができるので、介護施設ならではのメッセージ…今は「脱!!!!健康寿命Worst-1 宣言!!!!!」というメッセージを入れていますが、季節毎に熱中症やインフルエンザなどの防止に関するメッセージを出して、健康寿命を延ばす為の一つのきっかけとして役立てていけたらと思っています。それに、提供する商品を機能性飲料に絞るといった介護施設ならではの品ぞろえにすることもできるのもこの自販機の魅力のひとつですね。

オリジナルメッセージが入ったコラボ自販機

もっと多くの人が気軽に出入りできる

地域に開かれた介護施設となることを願って。

三田:どうしても介護施設には、“関係者以外立ち入り禁止”的なネガティブなイメージがあるように感じています。やはり、介護は特殊なことではなく、当たり前の生活の一部だと考えているので、施設は地域に開かれたところでありたい、と思うのです。もちろん、訪ねてこられた方には丁寧に応えるのですが、施設に入る勇気のない人や関心のない人に、どうやって入ってきてもらうか、それが悩みになっていました。なので、この自販機を通じて、こういった人たちにメッセージを届ければ、中に入ってもらうというハードルを少しでも下げることができるのではないか、と期待しているところです。

編集部:自販機設置の効果は、いかがですか?

三田:2020年4月に敷地内に1台設置したばかりなので、効果が見えてくるのは少し先になりそうですが、スタッフからは「歩くのが楽しみになった」という好評価をもらっています。スタッフも地域住民ですから、これならきっと地域に受け入れてもらえるのではないかと感じています。

 

今は、建物と敷地だけの施設だけれども

いつか、地域が「あかしあ大河」となるような動きを

三田:介護事業は、施設内だけで完結するのではなく、外に外にと広げていくことが必要だとずっと考えてきました。この企画が、自己完結に終わらない、地域をまきこんだ介護施設づくりの「入口」になったのではないか、と今は考えています。これからも積極的に、地域で、それぞれの世代の人生や活動を考えていきたいものです。それは、きっと、まちづくりのようなことになっていくのでしょうね。

 

おわり

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